芦ノ湖のモンスター

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    takayukikikuchi

    x-tream lure angler
    アドレナリンと釣果が比例すると思い込んでいる「命がけ」アングラー
    「生き餌」「虫」が苦手で触れない「軟弱な側面」を持つ
    ランカーハンティングに出ると不眠不休、体力の限界までキャストする
    2013、「河川」をテーマにランカーを追っている未だランカー捕獲に至っていない

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芦ノ湖のモンスター

2013.02.23

落船

先日、芦ノ湖で開催された L&Fトライ2013
友人のデザイナー蘭知亜(BURITSU主宰 http://buritsu.com/)と共に参加した

本来、映画業界の先輩達(フライフィッシャー)と参加予定だったが
全員仕事の都合で不参加となり ルアーマン2人によるチャレンジとなる
まだ暗い 早朝の東名で待ち合わせし
一緒に東名を走る

このデザイナーは「キレ」てる
デザイン自体に「キレ」を感じるし
運転にも「それ」を感じる

自分はプロのドライバーでも自動車評論家でもないが
運転に関してキャパが狭い
性格や価値観やセンスetc..
人の内面が運転に出ると思っている

それは単なる速さや上手さだけじゃなく
複合的な細かい事だけど
彼の運転はバランス良く「勢い」と「キレ」を感じる
後ろを走って 久々に楽しかった

ボート屋に到着する
気温はマイナス2℃
まだ暗く寒い

自分がマイペースに準備している間に大会開始のホーンが湖になり響く

ボートは一斉に猛スピードで各々のポイントへ向かい
岸からは一斉にキャスティングが始まる
大会っぽい。。。

自分は そういうのが とても苦手
場が落ち着いた頃、ゆっくり船着き場へ向かう

今回は、色々な都合もありボートの予約日に縛られる事を避けた
当日、ボートが無いなら それも「何かの思し召し」
2人でウェーダーを履いて水に浸りながらランカーの回遊を待つスタイルに決めていた

運良く1艘だけ手漕ぎボートが残っている
借りる事にした

昨年の大会は、ファイト中盤でキーパーサイズの魚影が見えた瞬間フックアウトした
雪辱を晴らしたい
小さな手漕ぎ船に2人で乗り込む
湖は−2℃以上、ボートの上は凍っていてツルツル滑った

芦ノ湖は2人とも完全にAWAY
湖の湖底地形図を見ながら近場のポイントへ向かう
ランチャはボートの運転も上手かった

最初のポイントは川の流れ込みがある複雑なシャローエリア
色々な方向とレンジを探るが全く反応がない
気温が低く 早くも手が凍えて来た

シャローエリアは気温が高くなってから また探る事に
自分の苦手な急深エリアへ向かう
水温が安定した深場を探る為だ

このポイントは倒木もあり
ランカーが潜んでいそうな雰囲気

深場まで一気に急傾斜するブレーク
ルアーをブレーク沿いに落とし込みフォールで食わせたい
1人より2人の方がリサーチに幅が増すので
協力しながら各レンジ、方向を探る

極寒の湖上に広がる景色は美しく
早朝のライティングで雪化粧の山々はピンクに染まり
2人とも撮影しながら湖上の景色を楽しんだ

そのうち 雪も散らつき始め気温が一気に下がる
周りも釣れていないのか?モーターボートの移動が激しい
機動力を生かしランガンしている様子だ

早く1尾を捕りたい気持ちは分かるが
全開走行した波で小さい船が揺れまくる影響を考える余裕が無いらしい
船が揺れまくる

静かにランカーを狙っているpoint近くを
エンジン音バリバリに全速力で移動している素人も多く

苛ついた

そうなると 集中力が無くなり
リーリングやトゥイッチに影響が出て荒い感じになってしまう
忍耐と寛容さが足りない

ランチャは集中しているので
自分も気を取り直す

そんな中、ある船が近くを通り
ランチャが「波が来ま〜す!危ないですよ〜」と教えてくれた
自分は 必ず そういう場面で「ふざけた事」をしてしまう

そんな波で 自分のキャスティングを妨げられたくない。。。

スタンディングのままキャスティングを続ける
全く意味不明な行動
波が大きくなり ボートに張り付いた氷で足を滑らせる
極寒の湖に落ちた

教科書通りの落船劇

相方が船のバランスを瞬時に保ちバランスを立て直さなかったら
全ては「そこ」で終わりだった

「とりあえず、落ち着きましょう!」と言われ
初めて自分が「パニクってる」事に気がつく

相方が手を伸ばし助けてくれた
その絵を見ていると何か映画のワンシーンを見ている様だった

全身ズブ濡れ

2人で笑い合った

ランチャのベイトタックル

吹雪の芦ノ湖へ落ちズブ濡れ。。。
自分だけ近くの桟橋で降船した

相方にはランカーを捕って欲しい

アクシデントによってリズムを崩させたし
時間も奪ってしまった
何より自分のバカげた行為で転覆の危険に曝してしまったのが申し訳ない

一回り以上 歳下なのに
親の教育が良かったのか?本人自体が凄いのか?
久しぶりに信頼出来る人間だ

一人、クルマへ戻る

何で全身濡れてるの???
陸に戻ると観光者の視線が痛かった
人の視線が恥ずかしい。。。

桟橋を管理している老人が
「兄ちゃん、凍ったボートで滑ったんだろう? 着替えあるのか? うちの店で暖まるか?」
何でも「お見通し」だ

とりあえず、スペアウェアーを寄せ集め
何とか続行出来る格好になった

ボート屋に戻り暖をとらせてもらう
しばらく店で暖まっていると
窓を見ながら従業員達が騒ぎだした

「ベイトタックルの奴がファイトしてるぞ!!」
「おーっ、何かデカソウだぞ〜 」
「うちの店の客じゃないか?」
店内が盛り上がる

ベイトタックル?
ランチャじゃないの?

彼はベイトタックルにこだわり
トラウトゲームでもベイトフィネスで挑んでいた
自分のスタイルを持ち それを貫く姿勢はカッコいい

自分も窓辺に行くとランチャが桟橋近くでファイトしていた
落ち着いてファイトしている様子
見て安心した

彼がストイックに修行を積んでいたのは知っている
それが反映されているファイトシーンだった
ランディングも安定している
見に行くと良型の綺麗な魚だった

嬉しかった

ランカーとの格闘

相方と桟橋で合流し 仕切り直す
相方はプランニング能力も優れているので
今後の仕切りを全て任せる事にした

彼も落船した奴の仕切りは御免だろう(笑)
また何かハプニングがあったら完全に負けだ

吹雪も止み、気温も上がって来た
水温が上がりやすいシャローエリアを探る
流れ込みの土砂がテーブル状に広がったポイント

そのポイントは早朝混んでいた
今はアングラーが少ない

リサーチ開始

相方はベイトタックルでブレークから深場を
自分はシーバスタックルで遠投しシャロー側からブレークを探った
間もなく相方が良型をHITしまくる

「時合い」

自分は ここまでノーバイト
シャローエリアでランカーを出せなかったら
苦手なDEEPエリアで出す自信はなかった
勝負所だ

ブレークを通過した辺りで オールブラックの18gスプーンに「クンクン」と軽いアタリ
シビアな状況だったので合わせず 我慢すると「グイ〜〜ン」と魚が走り出す

ランカーだ。。。

6.5Fのシーバスロッドが曲がる
PE1号、リーダー16lb
完全なシーバスタックル

シーバスで鍛えて来たので70cm~80cm代の魚なら心理的余裕がある
ボート近くまで寄せて来ると
身を翻すランカーの魚体が見えた

デカい。。。

シーバス用の大型ネットでランディングする

ネットに入った魚体を見て 2人とも 感動した
湖の上で「喚起の叫び」を上げた

そのぐらい嬉しかった

2人で魚体を眺める
顔に凄みがあるランカー

「2人で捕った魚」だ

表彰式

計測所へ持って行くと69cmだった
ランカーだけど大会的な大きさの価値が良く分からない。。
それより早くリリースしたかった

レインボー部門で現状3位と言われ
流儀のまま流れに従うと
魚市場みたいな氷の入ったプラスチック箱に魚が入れられてしまった。。。

k 「計測が終わったらリリースしたいんですけど。。」

t 「リリースしたら記録に残らないですよ」

k 「……..」

t 「昨年の優勝者は70cmだから、この魚なら表彰台を狙えるかも知れないですね〜」
「この魚、現状3位ですよ。1位,2位は現在 70cmです」

k 「そうですか。。。」「リリース出来ないんですか。。。」

レギュラーサイズまでは成長が早くても
それ以上、ランカー級になるまでには かなりの時間を要する
多くの修羅場もあっただろう

「魚の歴史」

くだらない自分の勝利欲に負け
リリースしなかった事を後悔する

「誰かが美味しく食べてくれるよ。。。」
取材してくれたスポーツ紙の人が慰めてくれた

「食の為の釣り」は良いと思うし自分も魚を食べる。でも、それとこれは違う話だ

船着き場へ戻ると

相方は大会終了時間ギリギリまで
ベイトタックルで真剣にランカーを狙い続けていた

彼の真剣さがキャストから伝わってくる

ここまでに彼は30尾以上HITさせていた
彼が釣れているから同じエリアに多くの船が集まって来た
それでも「彼だけが釣れている時間」が多かった
ストイックな修行を積んで来た成果が出ている

見ていて嬉しかった

15:30
エアホーンが鳴り大会が終了した

竿を置き
キープしていた魚の撮影と蘇生作業を開始する
僕は相当な覚悟が無いと素手で魚に触れない。。。
自分は蘇生作業に専念した

撮影と蘇生を終え2人で表彰式に向かう
ちょうど表彰式をやっていた

リリースしなかったのだから
結果は残したい。 そう思っていた

表彰式用に用意されていた「氷の入ったプラスチック箱」
そこに 3尾の巨大なレインボートラウトが入っていた

K 「リリースすれば良かった」

L 「帰りましょう」

そこに自分達のトラウトは居なかった。。。

今後、どんなランカーだろうが 計測と撮影だけにしようと心に決めた日となった


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